他人のiPS細胞を加齢黄斑変性の患者に移植

他人のiPS細胞を加齢黄斑変性の患者に移植したんだそうです。

理研、他人のiPS移植 目の難病患者5人に




iPS細胞の発見で山中伸弥教授がノーベル賞を受賞したのが2012年ですから、
もう5年も経ってるんですね。

ノーベル賞の受賞者の中では若く、
対象となる研究成果から受賞までの期間も短かったことで、
iPS細胞の期待とインパクトが伝わってきます。



その、iPS細胞を利用した治療方法の研究が進んでいるようです。


先日ニュースとなっていたのは、
iPS細胞を使った加齢黄斑変性の治療。

加齢黄斑変性は物を見る際に、
映像を映し出す網膜の中心部(黄斑部)に異変が起こる病気で、
病気が進むと物が見えなくなってくるそうです。

発表された理研で行われた手術は、
この異変が起こった網膜を、
他人のiPS細胞から作った網膜に移植する手術だそうで、
5例行われていたとのこと。


患者自身のiPS細胞を使った網膜の移植手術(臨床研究)は、
2013年から行われていたようですが、
他人のiPS細胞をつかったものは、
今回発表されたものが初めてのようです。


現状では1件の手術に莫大な費用が掛かるようですが、
「あらかじめ安全性を確かめた他人の備蓄iPS細胞を使えば、1人当たりの費用を大幅に削減できる。」
とありますので、
実用化が見えてきているのではないでしょうか。



今回の理研の発表では1例目の患者さんに対しては、
3月に手術を行ったそうですが、
この患者さんたちの手術後の経過が気になる所です。


今後、どの程度の臓器までiPS細胞で作れるようになるのでしょうか。

今回は加齢黄斑変性に対する網膜組織の移植でしたが、
他人からのiPS細胞で作った組織や臓器でも問題無く移植できるとなれば、
がんになった肝臓を安く量産したiPSの肝臓と入れ替え、
なんてこともできるようになるのでしょうかね。